ドロ痛な恋が甘すぎて
「今日は1巻がいいな」
「最初から?」
「うん」
綾星くんの心臓の鼓動を感じながら、二人で一緒に『ドロ甘な声が痛すぎて』のマンガを読む。
私はそのページを読み終えると、綾星くんの膝を優しくタッチ。
そうすると綾星くんがページをめくってくれる。
そして今日もキュンキュンしちゃうシーンで、膝をポンポンポンポン何回もタッチした。
「これ?」
綾星くんのちょっと嫌そうな声が、私の羞恥心をくすぐる。
「ダメ……かなぁ?」
「いいけど。後でほのかからご褒美もらうから」
「うん」
喜びを詰め込んだ私の返事の後、綾星くんの唇が私の耳たぶに触れた。
「ひゃ!」
いつもと違うよ、耳にキスなんて。
普段は耳元でささやくだけなのに。
「ごめん。ほのかのかわいい声、聞きたくて」
意地悪で、でも甘い。
私の心を簡単に溶かしてしまう声に、ドキドキさせられっぱなし。
ドキドキの鼓動に合わせるように、私は綾星くんの膝を叩く。