ドロ痛な恋が甘すぎて

「ほのか、急かすな」


「早く聞きたいんだもん」


 ちょっとワガママだったかなって心配になっちゃったけど。

 後ろを向きながら見上げてみると、綾星くんが笑ってた。

 「かわいい奴」って白い歯を煌めかせながら。


「レイジ? それとも俺? 今日はどっち?」


「このセリフは……綾星くんでお願いします」


 綾星くんはパタリとマンガを閉じると、後ろから思いっきり私を抱きしめた。

 私の耳元で、思いっきりドロ甘な声を奏でる。


「俺の唇で一生塞ぎ続けてやる。お前の口から、他の男の名前聞きたくねえから」


 く……くく……苦しい。

 キュンキュンしすぎて、胸がギューギューって苦しい。


 胸グシャ。

 頬、燃え。

 脈、飛び跳ねすぎ。


 私は心臓を抑えたまま、後ろから包んでくれる綾星くんの左腕に体を預けた。

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