ドロ痛な恋が甘すぎて

「私より綾星くんの方がかわいいよ」


「は? 俺?」


 あ…… ダメだったかも。

 
 男の子だし。

 私の方が年上だし。

 かわいいって言われるのは嫌だったかな?

 プライドを傷つけちゃったかな?


 不安になって、綾星くんの顔をじっと見つめる。

 すると綾星くんの瞳に、妖艶な光が宿りだした。

 そして悪そうな顔でニヤリ。


「俺がかわいいって、当たり前」


「え?」


「一緒にいるとうつるんだから、ほのかの可愛さ」


 ひょえ!!


 いいい……いきなり、レイジ君モードに入るのやめてよぉ。


 嬉しすぎて。

 でも恥ずかしすぎて。

 どんな顔をしていいか、わからなくなるから。


 頭がクラクラして。

 一気に脳が働かなくなって。

 そんなフワフワ状態で、私の口から勝手に言葉が漏れる。
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