ドロ痛な恋が甘すぎて
春、お前は平気なのか?
リハの時もライブ中も、雅と明梨ちゃんが笑いあってる姿なんか見て。
メンタルは壊れないのか?
だって俺が春の立場だったら……
大好きでたまらないほのかが、アミュレットメンバーの彼女だったらとしたら……
辛くて、心臓が日本刀でえぐられるくらい痛みだして、耐えられないと思うから。
でも春、ごめん。本当に。
俺はアミュレットのリーダー。
今日のライブのため。
これからも続く4人でのアイドル活動のため。
俺はこんな態度しか取れない。
こわばっていた表情筋をほどき、俺は豪快に笑い声をあげた。
「ビックリさせんなよ春。一瞬、信じちゃったじゃんか」
「あやあやを騙すなんて簡単簡単」
「生意気」
「お礼かぁ、そうだなぁ。じゃあ今度モンブランおごって。大きい栗がのっているの」
「渋川の茶色いのじゃなくて、春が好きな黄色いモンブランな。了解」
「事務所の売店に行ってくるね。今、プリン食べたい気分だから」
楽しそうにスキップしながら、春輝はスタジオから駆け出して行っちゃったけれど、俺は見逃さなかった。
俺から視線を外す時に揺らした、辛そうにかげる瞳を。
この続きは
『アミュ恋 3曲目 センター春輝
僕だけになでなでさせて』で。