ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

「俺たちのライブ中にさ、この緑のタオルを振ってくれたんだよ」


「そうだったな」


「明梨ちゃん、かわいすぎでしょ!」



 雅のカラーってピンクだよな?


 なんで緑のタオルで応援してくれた明梨ちゃんが、可愛いわけ?



 鋭く突っ込みたくなる気持ちをなんとか抑え、わかったつもりの返事を一つ。



「だな」


「綾星、絶対ダメだからね」


「ダメって何がだよ」


「明梨ちゃんのこと好きになったりしたら」



 はぁ?

 なんねえよ。

 幼馴染の彼女なんてとらないし。


 そもそも俺は、一生恋なんてする気はない。


 

 昨日、明梨ちゃんと付き合いだした雅は、やっと『へたれアイドル』を卒業した。


 と、思ったけど……変わってねえ。



 愛くるしい王子スマイルという絶対的な武器を持っているくせに。


 明梨ちゃんのこととなると弱気というか。

 自信ゼロ。

 不安100%のところ、そのままじゃん。

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