ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 『歌を聞きに来い』なんて、本気で言ってくれてる?

 それとも失恋した私を慰めてくれてるだけ?



 なんて言葉を返せばいいかわからない。

 正解を教えて欲しくて。

 綾星くんの心に問いかけるように名前を呼んだ。



「綾星……くん……?」



 たどたどしい私の声に、肩がビクンと跳ねあげた綾星くん。

 ハッと目を見開いた後、いきなり私の髪をクシャクシャにかき混ぜた。



「そんな目、するな」



 そんな目って、どんな目のこと?



「今の声ももう出すなよ」



 そんな耳障りで不快な声、出しちゃったかな?




 心配になって、綾星くんを見つめる瞳に力が入る。

 そんな私の瞳を癒すように、綾星くんが穏やかに微笑んだ。



「先に謝っておくから」


「え?」


「ごめんな……」



 優しさを含んだ甘い声が、静かな暗闇に切なく響く。
 
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