ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目
「その中に、春は入ってないわけ?」


「え? 僕ってカッコいいの?」


「ま、真剣な目をして踊ってるときはカッコいいんじゃね?」

「カッコよくなんてないよ、僕」


 なんだこの会話。

『そんなことない。春はカッコいい!』って俺に言って欲しいのか?


 春輝の脳内を理解しがたいこの状況。

 だんまりを選んだ俺に、幼稚園児か!って突っ込みたくなるほどのあどけない笑顔が降ってくる。


「僕は『世界で一番かわいい男の子部門』だよ。1位も通り越して殿堂入りなんだから」


 天然春輝の頭ん中。

 理解不能。

 お手上げマジで。

 一度頭を開いて、虫眼鏡当ててみたいわ。

 そしたらこいつの意味不明な行動も発言も、アミュレットのリーダーとしてもっとわかってやれるかもな。


「僕ねあやあやに言いたいことがあったんだ」


「ん?」


「ずっと思っていたことだよ」


「だから早く言え」


 ニコニコ笑顔の春輝。

 毎日楽しいことしか映らないんだろうな、春輝の瞳には。

 羨ましい。

 どんな人生を送ってきたら全てを『楽しい』『かわいい』に脳内変換できるんだろう。

 そう思ったのに……


 あれ?

 春輝の瞳、今一瞬、闇色に陰ったような。

 ま、気のせいか。


 気のせい?って思ったけど……


 マジだし!
 
 気のせいじゃないし!

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