ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 さっきまでウサギっぽかった愛くるしい笑顔が、妖怪に乗っ取られた感じで不気味になってきた。


「あやあや大丈夫だからね~。僕がみんなにバラしてあげるから~」


「は?」


「あやあやの本性のこと。貴公子のお面の下、悪魔なんだよって」


 な……な……なんだよ、それ!


 小1で雅とトップアイドルになるって夢を抱いた時に、俺は決めた。

 アイドルにふさわしくないから、悪魔綾星は封印すると。

 アミュレットのメンバーや家族くらいにしか、悪魔を出さないことにするって。

 素の粘っこい歌声もアイドルらしくないから、さわやか系で歌おうって。



 今まで必死になって、素の自分を優等生スマイルで隠して生きてきた。

 学校の友達にも。

 弁当屋のお客にも。

 俺のファンにも。


 それなのに……

 俺、春輝を怒らすこと、何かした?
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