ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

「大丈夫だよ、あやあやなら」


 何回も聞いた。

 根拠が全くないその慰め言葉。


「大丈夫なわけ……ないし……」


「だってあやあやは、世界で一番カッコいいんだから」


「どうせ雅とマトイと同レベルなんだろ?」


「あの二人と一緒なら、怖いものなしでしょ?」


 意味不明に聞こえたけれど、確かにあの二人は最強か。


 『愛くるしいスマイル王子』と『絶対的魔王』


 俺なんかがその二人と肩を並べてるだけでも、おこがましい位か。

 春輝のゆるるんペースに乗せられて、なんか心地いい気分にさえなってきた。

 それなのに……


「それにね、僕が恋のキューピットになっちゃうかも」


「は?」


「あやあやとほののんのだよ」


 待て、待て。

 恋のキューピットって、何をする気だよ。


「春は何もするな、マジで」


「今言われても、遅いよぉ~」


「はぁ~?」


「だって、ほののんのアパートのポストに入れちゃったもん」


 なっ……何をだ??


「今日の握手会の優待チケット」


「はああぁぁぁぁ??」


 ということは……

 今日のアミュレットのライブに、ほのかが来るかもってことだよな?


「ちゃんとね、あやあや専用の握手券を入れといたよ。ステージで歌ってるあやあやの写真も同封しておいたし、バッチリ!」


 まぶしい笑顔で両手ピースは辞めろ。

 殴りたくなるから。


 っていうかさ……

 ライブ中の俺の写真なんて入れたら、俺がアミュレットの綾星だって暴露してるようなもんだろ!!
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