ドロ痛な恋が甘すぎて
「先週のライブ……来てくれたよね?」
ちが~う!
今の誤魔化しは、ダメダメな奴!
『君のことなんて知らない』って言ってるようなもの!
こういう時はとりあえず、笑顔で握手しちゃえ!!
そう思ってにこやかに手を出してみたけど、俺の手はひゅるる~と吹いている風以外何も感じない。
ん?と思って、ほのかの顔に目を向ける。
苦しそうな瞳が、俺の手のひらを見つめていた。
「握手……いいです……」
俺を一瞬でも見ることなく、ほのかは去って行った。
きっとすげー勇気を出して、俺に会いに来てくれたんだろうな。
それなのに俺はほのかのことを傷つけて……マジで最低。