ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 抱き枕のナマケモノにくびれができるくらい思いっきり抱きしめ、ベッドでごろごろしていた時、私の意識をはっきり覚ますようにインターフォンが鳴った。

 誰だろうとモニターで確認。

 帽子に眼鏡にマスク。

 怪しいよぉ。

 不審者?


 なによりも怖さが勝る。

 無視するのが安全と、スルーを決めたのに。

 インターフォンは不気味なくらいの連打で鳴りやまない。


 恐る恐るモニターの通話ボタンを押してみた。


「……はい」


「中……入れてもらえる?」


 ひょえ!

 名前を名乗ることなく、ドアを開けさせようとしている!

 やっぱり不審者だ。


「えっと……どちら様……ですか?」


「わかんない? 綾星だけど」


 あやせ…… 

 アヤセ……



 えぇぇぇぇぇぇ!!!
 
 綾星くん??!!


「ど……ど……」

「ファンの子たちに見つかる前に、ドア開けて欲しいんだけど」


 そ、そうだよね。

 綾星くんは有名人。

 見つかったら大変なことになっちゃうもんね。



 焦りながら玄関ドアを開ける。

 さっきまでステージの上にいた人が目の前に。

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