ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目
俺の心の奥深くから顔を出した、真っ暗闇。
振り払うように蹴とばして、幸せに溺れそうなほど漬かっている雅の微笑みにすがりつこうとした時、楽屋のドアを叩く音が。
「ちょっといいかな?」
「あ、いいよ」
俺たちの返事を聞いて「おつかれさま」と楽屋に入ってきたのは、雅の彼女の明梨ちゃん。
本当に彼氏だよな?
突っ込みたくなるほど顔を赤らめた雅が、モジモジしながら明梨ちゃんを見つめた。
「明梨ちゃんどうしたの?」
「その……帰る前に……伝えたくて……」
「ん?」
「かっこよかったよ」
「へ?」
「ステージの上での……みやびくん……」
俺の目の前で繰り広げられている、恋愛ドラマさながらのキュンキュン劇。
明梨ちゃんも雅も顔が真っ赤。
ドキドキしてるのが丸わかり。
二人のすぐそばに俺がいるんだけど。
視界に入ってる?
絶対に入ってないよな。
視野、狭まりすぎじゃない?
二人そろって眼科で見てもらえよ。
大好きな女の子の瞳にくぎ付けの雅が、明梨ちゃんの頬に手を添えた。