ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


 にゃ……にゃんですか!!

 今の発言は!!


 ビックリしすぎて猫語が出てきちゃったよ。
 ステージ上のアイドル笑顔で、そんなドキドキすること言わないでくれないかな。

 さっきまでの悪魔スマイルにもドキドキさせられたのに、心臓のキャパ超えそう。



 心臓が肌を突き破りそうなほどの飛び跳ねを誤魔化すように、私は口を思いっきりつぼめてみた。

 軽い睨みを綾星くんに向けて。


「グロテスクな物なんて……作らない……」


「じゃあ、レストラン並みの料理でも振舞ってくれるわけ?」


 こんどはイジリモードだよ。

 コロコロ変わる綾星くんの表情。

 変わるたびに、私の心臓にドクンと負荷がかかる。


「ただの野菜炒めだけど……」


「好きだよ」


「え?」


「野菜炒め」


 な……な……何?

「好きだよ」って言った時の綾星くんの表情を見て、魂が持って行かれそうになった。


 口元を手のひらで隠しながら、綾星くんはテレたようにうつむいて。

 なぜか耳まで真っ赤で。

 私までつられて、顔の温度が上がってきちゃったよ。

 
 火照った頬を冷やしたいのに、今すぐ氷水の中に顔を突っ込みたいくらいなのに、綾星くんの言葉はもっともっと私の体温を上昇させる。
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