ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

「ネックレス……?」


 私にくれるってこと?

 もらう理由なんてないよ。


「これって……」


「この前の……お礼……」


 何のことなのか、全くわからないよ。

 だってお弁当屋さんで失恋して迷惑かけちゃったのは、私の方だし。


「お礼って……?」


「アミュレットの歌声より、俺の粘っこい歌声のほうがいいって言ってくれた」


「思ったことを言葉にしただけだよ」


「嬉しかった……マジで……」


 そんなことで、こんな素敵なネックレスをもらっちゃっていいのかな?


「シャーベットブルーの雫みたいだろ? その石」


 確かに。

 小指の爪くらいの大きさの青い石は、雫のような形をしている。


「で、気に入ってくれたわけ?」


 ちゃんと嬉しさを表現しなきゃ。

 うんうんと何度も頷く私の瞳に、見惚れてしまうほどの綺麗で柔らかい笑顔が映った。


 その笑顔、大好き。

 ん?

 大好き?

 違う違う!

 大好きなのは、今の綾星くんの笑顔ってことで……

 綾星くんを好きってわけじゃなくて……
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