ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目


 テンパりながら自分に言い訳。

 どうしちゃったんだろう、私。

 今でもまだ、蒼吾さんのことが好き。

 蒼吾さんの陽だまりみたいな笑顔を思い出すだけで、胸が千切れちゃうくらい苦しくなって大好きって思いがぶり返すのに。


 綾星くんの笑顔は、私の心をザワつかせる魔力みたいなものを持っていて。

 一時的に蒼吾さんのことを忘れさせてくれる。



「あ……あの……綾星くん、ご飯できるまで……キッチンのドア開けないでね……」


「ほのかが料理作るところ、隣で見ていたいんだけど」


「お姑さんみたいにチクチクいびられたら嫌だもん。絶対にこのドアを開けないでね」


「姑って……」と呆れた声が耳に届いたけど、返事をする心の余裕なんてない。

 綾星くんにどんな顔をしていいいか、わからなくなっちゃった。



 私の理解不能な想い。

 これって何?

 どんな感情?

 だれか今すぐ教えてください。


 あまりに気が動転して、鶴の恩返しみたいに引き戸をピシャリと閉めた私。

 頭を冷やしたくて、保冷剤をおでこにぴたりと当てた。






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