ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

『雪の口、俺の唇で一生塞ぎ続けてやる』


『え……?』


『お前の口から、他の男の名前聞きたくねえから』


 なんかいま鳥肌が立った、ぶわぶわっと。

 湧きたつこのゾクゾク感。

 ヌルっとしたこんにゃくを顔に当てられたような、何とも言えない気持ち悪さなんだけど。



 俺の脳が明らかな拒絶反応をしてはいるが、『ほのかが好きなマンガ』というキーワードにすがりながら、次のページも開いてみる。


『雪、もう教室で喋んな』


『友達が話しかけてくれるからそれはムリだよ』


『は? 俺の気持ちはどうなるわけ?』


『レイジくんの気持ち?』


『誰にも聞かせたくねえんだよ、お前の声』


 俺いま、ホラーマンガ読んでたっけ?

 鋭く尖ったツララが背筋に沿ってすべっていくような。

 未知の恐怖で震えが止まらないんだけど。 


 女子ってマジでこんな極甘なセリフにキュンキュンするわけ?

 こんな痛い言葉、俺はぜってー言えねえし。
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