ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 もうこれ以上読むのはムリと漫画を閉じようとした時

「ご飯……できたよ……」

 ほのかがドアから顔を出した。


「あ……ありがとう……」


 そんな俺の声を、ほのかは完全に無視。

 俺の目の前のローテーブルに、黙々と料理を並べている。

 やべっ、怒らせちゃかも。

 明らかに嫌がってたしな、俺が『ドロ痛』を読むの。

 こんなマンガのせいでほのかに嫌われたら、俺一生『レイジ』のこと恨むからな。


「野菜炒め、おいしそうじゃん」


 ほのかの機嫌を取るように、声音を飛び跳ねてみる。

 っ、反応なし。


「これカボチャサラダ? ほのかが作った?」


 これには俺の顔を見ずに、コクリとだけ頷いたほのか。

 相変わらずピクリとも微笑んでくれない。

 マジでヤバいかも。

 ほのかの手料理をほおばる前に、玄関から追い出されそう。

 そんな時、床をじっと見つめたままほのかがつぶやいた。

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