ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目
バカ、雅!
この場でキスするつもりだろ。
俺がいるって気づけ。
思い出せ。
心の中で雅に吠えても、明らかに邪魔者は俺。
雅と明梨ちゃんを包む、甘ったるいムードを壊すわけにはいかず……
悪いことなんて一つもしていないのに、罪悪感とバックを背負い、俺は楽屋から逃げ出した。
大好きって感情に心の中が支配されると、30分もノロケ話に付き合ってあげた幼馴染さえ、見えなくなるのかよ。
恋って怖えよな。
マジで怖ぇ。
俺は自分を見失うような恋なんかしたくない。
っていうか、女なんて信じない。
恋なんてしない。
一生。
死ぬまで絶対に。
この時の俺は、頑固なほど強く思っていたことなのに。
たった数時間後、俺の心は雅と同じ極甘ピンクに染められることになるなんて……