ドロ痛な恋が甘すぎて

☆ほのかside☆


 なんかすごく安心する。

 なんでだろう?



 頬に感じる温もりが心地いい。

 ずっとこのままでいたいな。

 このままベッドの上で寝ていたいな。



 ん? 

 ベッド??



 目をつぶりながらもはっきりわかる布団と枕。

 私の部屋のもので間違いない。

 でも、いつもと何かが違う。


 だって私が寝る時にいつも自分の頬に当てているのは、抱き枕にもなるナマケモノさんの手の平なのに。

 なぜかゴツゴツしていて。
 
 私の頬を包み込んでくれていて。

 まるで人間の手……


 ぬくもりめいた違和感に、恐る恐る瞳を開ける。



 ひゃぁぁああぁぁぁぁ!!

 なっ……なんでなんで!!

 私の頬を包み込んでくれているのは、綾星くんの手だよ!!

 しかも私、自分の手で綾星くんの手のひらをがっちり掴んでるし!!
< 88 / 216 >

この作品をシェア

pagetop