ドロ痛な恋が甘すぎて


 綾星くんはというと、ベッドに頭だけ乗せながらすやすやと寝ている。


 寝顔があまりにも綺麗。

 長いまつ毛に見とれていると、フニャフニャ言葉にならないような可愛い声が、綾星くんの口から漏れた。


 フフフ。

 綾星くんのあどけない寝顔を見ると、高校生だなって実感する。

 目を開けている時は、2歳年上の私より確実に年上って感じだから。

 ライブで疲れて寝ちゃったのかな?


 私は掴んでいた綾星くんの手をそうっとベッドに置いて、自分の体を起こした。
 

 でもなんで私、ベッドで寝てたんだろう……

 冷静になり、記憶があるところまで戻ってみる。



 二人で夕ご飯を食べて。
 
 綾星くんが漫画に夢中だったから、キッチンで食器を洗って。

 リビングに戻ろうかなって思ったけど、綾星くんの邪魔をしちゃ悪いかなって思って、キッチンで本を読んで……


 え??

 それ以降の記憶が……ない……

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