ドロ痛な恋が甘すぎて
「それで? ほののんと何か進展あった?」
友達の恋バナを聞く女子みたいに、キラキラな瞳を俺に向けている春輝。
言えねぇ。
俺色のネックレスをあげたとか。
寝ぼけたふりしてキスしたとか。
恥ずかしすぎて言えねぇし。
「進展なんてないよ」
「嘘だぁ。ほののんのお部屋で二人だけだったんでしょ?」
「だから、ほのかが寝ちゃったって言っただろ?」
「連絡先くらい交換した?」
「NO……」
「じゃあ次に会う約束は?」
「まぁそれは……した……けど……」
「じゃあその時に告白ね」
「春、勝手に決めんな」
「だって僕が強引な手を使わないと、あやあやは自分の気持ちを伝えないじゃん」
「だってあいつ、まだ御曹司のことを大好きだし」
御曹司を想って泣き出したほのかを思い出し、えぐられたように痛みだした俺の胸。
春輝の暴走を止めたいのに、そんな気力が湧き出てこない。
その時、俺よりも絶対に傷ついていることがわかる痛々しい声が、俺の耳に届いた。