【完】恋の治療は保健室で
「そうだったんだ。大変だったね」

「うん。今もまだ分からないことが沢山あるんだけどね。少しずつ薬師寺先生と話せたらいいなって。明日のクリスマスの時も聞いてみるつもり」

「奏、何でもっと早く話してくれなかったの?」

「えっと、それは...」

「確かに話づらい事だと思う。ましてや、教師と生徒の関係でもある二人だし。バレたら二人ともタダじゃ済まないと思う。でもね、私達友達じゃん!私は友達としてこんなに奏が一人で悩んでいるのを少しでも楽にさせたい!一人で抱え込んでほしくないんだよ」

それを聞いて泣きそうになった。こんなに心配してくれてたなんて。本当に申し訳なくなる。何回も話そうとしてた。けど怖かった。もし若菜に嫌われたらどうしようって思っていた。けど若菜は違った。あたしを受け止めてくれた。あたしは本当に幸せだよ。だって、こんなに気をかけてくれる人がいるなんて。
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