【完】恋の治療は保健室で
「すいません。でも、あなた方が彼女を怒らせることになったのは確かです。ぶつかっといてそんな軽い謝罪。ちょっと人としてなっていないのでは?」

「なんだと?お前、ケンカ売ってるのか?あぁ?」

「ねーもう行こうよ?」

「仮にぶつかってケガさせていたらどうなっていたか想像出来ます?それがもし、骨を折るような重症だとしてもそんな軽薄な態度で謝るんですか?今回はこっちが悪かったと言うことにしておきます。ですが、次、彼女や他の人に同じことをするなら僕はあなた方を絶対許しません」

冷静な態度で話しているけど、その目は怒りに満ち溢れている。平川君と揉めていた時よりずっと鋭い目つきだ。こんなに怒っている薬師寺先生、初めてだ。

「ちっ、もう行くぞ」

「ええーイルカ見ていこうよ」

「今日はそんな気分じゃねーんだよ」

男は怒りながら帰っていった。

「皆さん、お騒がせしました」

いつの間にかたくさんの人があたし達の周りに集まっていた。これだけ騒いだんだから突然だよね。

「す、すいませんでした...!」
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