【完】恋の治療は保健室で
「それで冬和さんは...」

「病院に着いても意識は戻らず、そのまま...」

「そんな...」

「あの時僕が寝坊してなかったら彼女が死なずに済んだんだ」

下を向いて今にも泣きそうな声でいる。あたしの目にも涙が溜まってきた。こんな辛いことを十年以上抱え込んでいたなんて。

「薬師寺、顔を上げろ」

「龍也」

バシッ!

!!!!

いきなり龍也さんが薬師寺先生の顔を殴った。
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