【完】恋の治療は保健室で
薬師寺先生との約束の場所は体育祭の時に特訓で使った公園。あれ以来全然来てなかったけどそんなに変わってないな。あそこのベンチで待ってよう。

「すっかり春だな。梅が咲終わったら次は桜か。あと一週間したら見れそう」

「おう」

「えっ?あっ!平川君のお兄さん」

「杉原さんだったかな。なんでこんなところにいるんだ?」

「薬師寺先生と待ち合わせしていて」

「あいつと?相変わらず物好きなやつだな」

「物好きじゃないです!もう少ししたら来ると思うので会っていきますか?」

「いやいい。今はまだあまり話したくないんだ」

「そうですか」

「この前は悪かったな」

「この前って」

「叩いたことだよ。あいつ相当怒ってたからな」

「あたしこそ叩いてしまって。ごめんなさい」

「正直なやつ。別にいいよ。じゃーな。薬師寺に宜しく」
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