【完】恋の治療は保健室で
歩いて十分。

そろそろ一周目が終わろうとしていた。

特に話さないで無言で歩いていたら薬師寺先生が話始めた。

「久しぶりだな。この公園を歩くの」

「前にも来たことがあるんですか?」

「うん。昔知り合いとね。すっかり景色も変わったな」

あの時と同じどこか悲しい表情だ。

「その人ってこの前話していた先生の恋人のことですか?」

「...そうだよ。よくここに来て散歩してたな。あの頃は本当に幸せだった...」
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