黙って俺を好きになれ
それからイタリアンダイニングに連れられ、カップルも多いお洒落な雰囲気の中で、しっとりした和のイメージが強い幹さんと向かい合っているのはなんだか新鮮だった。
どこにいても様になる人で、一緒にいながら鑑賞者のような心地になる。・・・あの頃と似ている。テーブルに突っ伏してる先輩を飽きもしないで見つめていた頃の自分と。
「イトコ」
ワイングラスをテーブルに置いた幹さんが思い立ったように言う。
「俺のマンションに住め。毎晩は帰ってやれねぇが今よりマシだ。仕事ならこっちで探してやる」
・・・風俗とか闇金の事務員は無理ですけど。真面目に思ってから口を開いた。
「会社を辞めるのはまだ考えてないんです」
引っ越す理由も引っ越し先も、両親に説明しようがない。冷静に考えてしまう。
「あのボーヤがいるからか」
頬杖をついたあなたがじっと私を見据えていた。
どこにいても様になる人で、一緒にいながら鑑賞者のような心地になる。・・・あの頃と似ている。テーブルに突っ伏してる先輩を飽きもしないで見つめていた頃の自分と。
「イトコ」
ワイングラスをテーブルに置いた幹さんが思い立ったように言う。
「俺のマンションに住め。毎晩は帰ってやれねぇが今よりマシだ。仕事ならこっちで探してやる」
・・・風俗とか闇金の事務員は無理ですけど。真面目に思ってから口を開いた。
「会社を辞めるのはまだ考えてないんです」
引っ越す理由も引っ越し先も、両親に説明しようがない。冷静に考えてしまう。
「あのボーヤがいるからか」
頬杖をついたあなたがじっと私を見据えていた。