黙って俺を好きになれ
強がらないで、寂しいと甘えればよかったのかと遅れて気が付いた。明日が在るとは限らない、臆病になるなと教えられたばかりだったのに。

言葉に詰まっている間に幹さんのトーンがもう一段下がった。

『・・・俺だけか?お前がいないと物足りなくてしょうがねぇのは』

「そ、・・・れは私も今すぐ会いたいです、幹さんにそばにいて欲しい・・・っ」

『なら素直に欲しがれ』

少し和らいだ口調に私もありのまま。

「日曜日、早く帰ってきてください」

『ああ』

ひとつ間を置いて深い声が耳に残った。

『俺が帰る場所(ところ)は他にはねぇよ、・・・イトコ』





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