黙って俺を好きになれ
「怪我・・・とかしないように頑張ってください」
『がんばってください』って表現が果たして合うのかどうか。すると小暮先輩は一瞬黙ったあとで肩を揺らし、大きく笑い声を立てた。
そんなに可笑しなことを言ったのかと茫然と見上げてるうち、次第にクックッと笑いが収まってくる。
「いや、昔も同じことを言ったろうが。本当に変わらねぇな」
言った本人は憶えてませんが。とも言えず。
「まあイトコが言うなら、せいぜい長生きするか」
頭の上に乗った大きな掌の温もりと声は優しく伝わってきて。
“ヤクザ”は悪い人だけど。
先輩はそんな人じゃない。
誰に向かってなのか自分でもよく分からずに、胸のうちで呟いた。
『がんばってください』って表現が果たして合うのかどうか。すると小暮先輩は一瞬黙ったあとで肩を揺らし、大きく笑い声を立てた。
そんなに可笑しなことを言ったのかと茫然と見上げてるうち、次第にクックッと笑いが収まってくる。
「いや、昔も同じことを言ったろうが。本当に変わらねぇな」
言った本人は憶えてませんが。とも言えず。
「まあイトコが言うなら、せいぜい長生きするか」
頭の上に乗った大きな掌の温もりと声は優しく伝わってきて。
“ヤクザ”は悪い人だけど。
先輩はそんな人じゃない。
誰に向かってなのか自分でもよく分からずに、胸のうちで呟いた。