黙って俺を好きになれ
クリスマスに好きだと告白されるなんて、一生に一度あるかないかの経験だったと思う。

筒井君はアパートに送り届けてくれるまで、いつもと変わらないふやけた笑顔の後輩でいてくれた。

「おやすみなさい、糸子さん」

私をさん付けで呼んだ時は少し違う笑い方になった。





お風呂に入っている間に彼からラインでメッセージが届いていた。

“返事は2ヶ月後に聞くんで、ゆっくり考えてくださいねー。それより前は聞く耳もちませんからー”

にやりと笑ったウサギのスタンプ付き。

・・・告白の返事っていつからそういうシステムになったんだろう。悩ましい溜め息が漏れた。
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