Second lover
華月と初めて会ったのは俺らがまだ高2の時。
共通のダチに紹介されて出会った。
その時は男みたいな格好してる変なやつだと思った。
『お前まじで女?』
「そうですけど」
『キモ、なんでそんな格好してんの』
綺麗な顔してるから髪伸ばしてスカート履いたら絶対可愛いのに。
「あなたに関係なくないですか?」
『あ?』
「すいません」
噛みつくわりにすぐ引く。
面白い女だなーと思った。
出会った日から半年くらい経ち
共通のダチを通じて華月と飲む機会が増えた。
『華月それとって』
「うん」
明らかに俺の方が近くても頼めば文句も言わず持ってくる華月。
『華月、おて』
素直に手を差し出す。
「って何それ!犬じゃないんだけど!」
『犬が人間の言葉喋んな』
軽くほっぺをつねると半笑いで
「ほめんなひゃい」
一連の流れを見て笑うダチ。
あった日から思ってたけどこいつ確実Mだな。
『よろしい』
頭を撫でてやるとふにゃっと表情を崩した。
その時俺には彼女いたんだけど
華月と浮気するのに時間はかからなかった。
浮気つってもヤらなかったけど。
『あ〜あ、こんなことしてんの彼女にバレたら怒られちゃうな。彼女怖えんだぞ』
「知らんよ、政信さんが悪いんでしょ」
そう言う華月の唇を奪う。
『これで同罪』
何も言わないので二度目の口づけをする。
「…ファーストキスなんですけど」
『え?そーなの?』
「彼氏すらいたことないのにどーやってチューすんのよ」
てっきり嘘言ってると思った。
つーか初めての相手が浮気って大丈夫なのかこいつ。
俺が言えたことじゃないけど。
それから毎日ダチと華月とドライブしててたのが徐々に2人で会うことが多くなった。
『あー彼女と別れたわ』
元々バイトバイトであんま相手しなかった+浮気を疑われてたのもありLINEで散々文句を言われ『じゃー別れれば?』つったらあっけなく終わった。
その時もやっぱとなりにいたのは華月だった。
俺は元々特定の女作らないか、いても浮気三昧でこんなに毎日のように会う女は初めてだった。
「まじか、大丈夫?」
『別に、面倒だったし
写メも削除削除』
「早っ」
『別れたんだからいらねえべ』
「確かに」
華月は変わった女だった。
今までいた女は彼女のこと話したら不機嫌になったり元カノのこと妙に詮索してきたりしてきたのに華月はそんなこと一切しなかった。
ましてやこーゆー関係になる前、俺らを会わせたダチとヤってるとこ見ても何も言ってこなかった。
『お前変わってるよな』
「何が?」
『彼女のこととか、俺の女関係気にならんの?』
「気にならんつったら嘘だろうけど
聞いたとこでうちが得することないし
話したいなら政信さんから話すしょ」
それだよ。
普通そーならんだろ。
『お前面白い』
「?何が」
彼女と別れたからと言ってじゃー付き合うかともならんかった。
その1ヶ月後くらい。
「あ!タバコ買い忘れた!
ちょっと買ってくるわー」
ダチと華月が家に遊びに来た。
ダチは彼氏連れてってコンビニに行き華月と2人きりになる。
構わず俺はテレビゲームして華月は俺のそば来るわけでもなく後ろの方にいた。
「ま、政信さん」
『ん?』
「好きなんだけど」
今更何言ってんだこいつ。
『知ってる』
「え?」
『知ってるって』
振り向いてあらためて言う。
実はダチから華月が俺のこと好きってこと聞いてた。
まぁ聞かなくてもこいつの行動とかわかりやすかったけど。
「そうっすか…
一応告白したんですけど」
あぁ、そーゆーこと。
つーかなんだその告白。
『あーそーなの
どーしたいの?』
「できれば付き合いたいですけど」
『仕事するならいいよ』
まだ学生だから普通のことなんだろうけど、華月はバイトしてなかった。
俺個人の考えでダチでも仕事してないやつは嫌いだった。
まぁ華月だったらどーせバイトしないでずるずるこの関係続けるんだろうなと軽く考えてた。
「す、するよ!」
『そーか、俺しばらく彼女できないから安心しろ』
そのあとダチカップルが帰ってきてゲーセンに行き初めてのプリクラを撮った。
撮り終わった後出てきたシールをしばらくニコニコしながら眺めてる華月の頭を引っ叩く。
「痛ーい!なにすんのさ!」
『キモい顔すんな』
「生まれつきなんだけど!」
『やたらニヤニヤしてきもかったぞ』
「そんなことないもん」
たかがプリクラ撮ったことがそんな嬉しいのかよ。
馬鹿なやつ。
それから2週間くらい。
珍しく華月と連絡すらとらなかった。
どーしたんかなって思ってたらLINEが鳴る。
「バイト決まったよ!」
あまりの速さにびっくりした。
こいつマジだったんか。
『おめでとう!』
「ありがとー学校行ってきます」
俺が学校終わった時間、定時制に通う華月が登校する時間。
久々の連絡で少なからず嬉しくてしばらくLINEが続く。
『会いたいね』
こんなに会わないのは初めてだった。
「え?」
『あ?』
「政信さんからそんなこと言われたの初めて」
『悪いか』
「悪くないよ!
うちも会いたい」
『学校終わったら家くれば?
あーでもバスないか』
いつもはダチの彼氏の車でドライブしてそのまま家に来ることとか多かったけど、俺らの家はバスで30分かかるくらいの距離だった。
「調べたらあったから行く!」
『待ってるよ』
9時ごろ「学校終わったから今から向かうね」とLINEが来た。
が、待てど暮らせど来ない。
『遅くない?』
「降りる場所間違った笑」
『は?』
「大丈夫!地図見て行ける」
そーいやこいつバス乗ったことないとか方向音痴とか言ってたっけ。
速攻電話する。
『どこいる』
「米屋見えるー」
周りに何もないにしろもっとマシなもん見えねぇのかよ。
『住所は?』
「○条○丁目」
『そこ動くなよ』
季節は秋も終わりかけで寒い。
仕方なくチャリで迎えに行く。
あいにくの雨。
まだ雪じゃないだけマシだけど。
わりと近所にいたらしい、バス停の近くで座り込んでる。
キキィ
ブレーキ音で顔を上げると不安で歪んでた顔がパァと晴れるのが目に見えてわかった。
「政信さん!会いたかったー!」
『会いたかったじゃねぇよ!
なんで終点まで乗ってんだよ!
人の話聞いてねぇのか!』
「ごめんなさい…」
『いいから乗れ』
あからさまにしゅんと肩を落とす。
『ちゃんと掴んでねぇと落とすぞ』
そう言うと無言で腕に力を込める。
家につき上着を脱ぎながら一つの疑問が頭を過る。
『そーいや終点からあっこまでどーやって来たの?』
距離かなりあったはずだけど。
「あ、運転手さんいい人でね
危ないから送るって戻ってくれた」
『よかったな』
それから今までと特に変わりなく他愛無い会話をしてベットに入る。
腕枕をするとギューと抱きついてきた。
「会いたかった」
『俺もだよ』
「…ねぇ、マジで付き合ってくれんの?」
『当たり前ぇだろ、もう彼女だ』
「泣きそうなんだが」
『なんで笑』
「嬉しくて」
『馬鹿かよ』
わかりやすいくらい好きオーラ出すわりには甘えてくることも俺に興味ありそうな素振りもしない。
なのに俺のことになったら全て捨てる勢いで行動するような女だった。
俺はそんな華月のことが
気づかないうちにめちゃくちゃ好きになってた。
共通のダチに紹介されて出会った。
その時は男みたいな格好してる変なやつだと思った。
『お前まじで女?』
「そうですけど」
『キモ、なんでそんな格好してんの』
綺麗な顔してるから髪伸ばしてスカート履いたら絶対可愛いのに。
「あなたに関係なくないですか?」
『あ?』
「すいません」
噛みつくわりにすぐ引く。
面白い女だなーと思った。
出会った日から半年くらい経ち
共通のダチを通じて華月と飲む機会が増えた。
『華月それとって』
「うん」
明らかに俺の方が近くても頼めば文句も言わず持ってくる華月。
『華月、おて』
素直に手を差し出す。
「って何それ!犬じゃないんだけど!」
『犬が人間の言葉喋んな』
軽くほっぺをつねると半笑いで
「ほめんなひゃい」
一連の流れを見て笑うダチ。
あった日から思ってたけどこいつ確実Mだな。
『よろしい』
頭を撫でてやるとふにゃっと表情を崩した。
その時俺には彼女いたんだけど
華月と浮気するのに時間はかからなかった。
浮気つってもヤらなかったけど。
『あ〜あ、こんなことしてんの彼女にバレたら怒られちゃうな。彼女怖えんだぞ』
「知らんよ、政信さんが悪いんでしょ」
そう言う華月の唇を奪う。
『これで同罪』
何も言わないので二度目の口づけをする。
「…ファーストキスなんですけど」
『え?そーなの?』
「彼氏すらいたことないのにどーやってチューすんのよ」
てっきり嘘言ってると思った。
つーか初めての相手が浮気って大丈夫なのかこいつ。
俺が言えたことじゃないけど。
それから毎日ダチと華月とドライブしててたのが徐々に2人で会うことが多くなった。
『あー彼女と別れたわ』
元々バイトバイトであんま相手しなかった+浮気を疑われてたのもありLINEで散々文句を言われ『じゃー別れれば?』つったらあっけなく終わった。
その時もやっぱとなりにいたのは華月だった。
俺は元々特定の女作らないか、いても浮気三昧でこんなに毎日のように会う女は初めてだった。
「まじか、大丈夫?」
『別に、面倒だったし
写メも削除削除』
「早っ」
『別れたんだからいらねえべ』
「確かに」
華月は変わった女だった。
今までいた女は彼女のこと話したら不機嫌になったり元カノのこと妙に詮索してきたりしてきたのに華月はそんなこと一切しなかった。
ましてやこーゆー関係になる前、俺らを会わせたダチとヤってるとこ見ても何も言ってこなかった。
『お前変わってるよな』
「何が?」
『彼女のこととか、俺の女関係気にならんの?』
「気にならんつったら嘘だろうけど
聞いたとこでうちが得することないし
話したいなら政信さんから話すしょ」
それだよ。
普通そーならんだろ。
『お前面白い』
「?何が」
彼女と別れたからと言ってじゃー付き合うかともならんかった。
その1ヶ月後くらい。
「あ!タバコ買い忘れた!
ちょっと買ってくるわー」
ダチと華月が家に遊びに来た。
ダチは彼氏連れてってコンビニに行き華月と2人きりになる。
構わず俺はテレビゲームして華月は俺のそば来るわけでもなく後ろの方にいた。
「ま、政信さん」
『ん?』
「好きなんだけど」
今更何言ってんだこいつ。
『知ってる』
「え?」
『知ってるって』
振り向いてあらためて言う。
実はダチから華月が俺のこと好きってこと聞いてた。
まぁ聞かなくてもこいつの行動とかわかりやすかったけど。
「そうっすか…
一応告白したんですけど」
あぁ、そーゆーこと。
つーかなんだその告白。
『あーそーなの
どーしたいの?』
「できれば付き合いたいですけど」
『仕事するならいいよ』
まだ学生だから普通のことなんだろうけど、華月はバイトしてなかった。
俺個人の考えでダチでも仕事してないやつは嫌いだった。
まぁ華月だったらどーせバイトしないでずるずるこの関係続けるんだろうなと軽く考えてた。
「す、するよ!」
『そーか、俺しばらく彼女できないから安心しろ』
そのあとダチカップルが帰ってきてゲーセンに行き初めてのプリクラを撮った。
撮り終わった後出てきたシールをしばらくニコニコしながら眺めてる華月の頭を引っ叩く。
「痛ーい!なにすんのさ!」
『キモい顔すんな』
「生まれつきなんだけど!」
『やたらニヤニヤしてきもかったぞ』
「そんなことないもん」
たかがプリクラ撮ったことがそんな嬉しいのかよ。
馬鹿なやつ。
それから2週間くらい。
珍しく華月と連絡すらとらなかった。
どーしたんかなって思ってたらLINEが鳴る。
「バイト決まったよ!」
あまりの速さにびっくりした。
こいつマジだったんか。
『おめでとう!』
「ありがとー学校行ってきます」
俺が学校終わった時間、定時制に通う華月が登校する時間。
久々の連絡で少なからず嬉しくてしばらくLINEが続く。
『会いたいね』
こんなに会わないのは初めてだった。
「え?」
『あ?』
「政信さんからそんなこと言われたの初めて」
『悪いか』
「悪くないよ!
うちも会いたい」
『学校終わったら家くれば?
あーでもバスないか』
いつもはダチの彼氏の車でドライブしてそのまま家に来ることとか多かったけど、俺らの家はバスで30分かかるくらいの距離だった。
「調べたらあったから行く!」
『待ってるよ』
9時ごろ「学校終わったから今から向かうね」とLINEが来た。
が、待てど暮らせど来ない。
『遅くない?』
「降りる場所間違った笑」
『は?』
「大丈夫!地図見て行ける」
そーいやこいつバス乗ったことないとか方向音痴とか言ってたっけ。
速攻電話する。
『どこいる』
「米屋見えるー」
周りに何もないにしろもっとマシなもん見えねぇのかよ。
『住所は?』
「○条○丁目」
『そこ動くなよ』
季節は秋も終わりかけで寒い。
仕方なくチャリで迎えに行く。
あいにくの雨。
まだ雪じゃないだけマシだけど。
わりと近所にいたらしい、バス停の近くで座り込んでる。
キキィ
ブレーキ音で顔を上げると不安で歪んでた顔がパァと晴れるのが目に見えてわかった。
「政信さん!会いたかったー!」
『会いたかったじゃねぇよ!
なんで終点まで乗ってんだよ!
人の話聞いてねぇのか!』
「ごめんなさい…」
『いいから乗れ』
あからさまにしゅんと肩を落とす。
『ちゃんと掴んでねぇと落とすぞ』
そう言うと無言で腕に力を込める。
家につき上着を脱ぎながら一つの疑問が頭を過る。
『そーいや終点からあっこまでどーやって来たの?』
距離かなりあったはずだけど。
「あ、運転手さんいい人でね
危ないから送るって戻ってくれた」
『よかったな』
それから今までと特に変わりなく他愛無い会話をしてベットに入る。
腕枕をするとギューと抱きついてきた。
「会いたかった」
『俺もだよ』
「…ねぇ、マジで付き合ってくれんの?」
『当たり前ぇだろ、もう彼女だ』
「泣きそうなんだが」
『なんで笑』
「嬉しくて」
『馬鹿かよ』
わかりやすいくらい好きオーラ出すわりには甘えてくることも俺に興味ありそうな素振りもしない。
なのに俺のことになったら全て捨てる勢いで行動するような女だった。
俺はそんな華月のことが
気づかないうちにめちゃくちゃ好きになってた。