Second lover
まだ学生で免許も無いし
生活リズムも合わないから
俺がバイト終わって華月が学校終わった後に俺んち来るって感じでデートもできなかった。
その事を気にしてるかと思いきや

「え?別にどこも行かんでも政信さんに会えるならそれでいーけど」

多少気を使ってるのかもしれないけどその一言で安心した。

『仕事終わった』

仕事終わり、いつものようにLINEを送る。

「お疲れ様ー」

『来るか聞こうと思ったけど終電終わっちゃったね』

「いやん」

『早く言えばよかった』

「(;_;)」

『会いたいね』

「じゃあうち来てよ!」

『え?いいの?』

実家だから少し気使って言えないでいた。

「え?来てくれるの?」

『母さんに送ってもらう』

「待ってる!」

諸事情で俺は親と住んでなかった。
近所にいる祖父母の家にいた。
連絡してから実家に戻り華月んちへ送ってもらった。

『お待たせ』

「待ってないよ!
部屋狭いし汚いし寒いけど」

『大丈夫、期待してないから』

「何それ」

笑いながら小突かれる。

華月の部屋は妹と半分に区切ってあってまぁ狭かった。

『うさぎ飼ってたんだ』

「可愛いでしょー」

『おでぶ』

「そこがまた可愛いの」

『飼い主に似ちゃって可哀想に』

「やだー何それー」

後ろから華月にハグされイチャイチャしながら話してると扉が開いた。

『おじゃましてます』

「いらっしゃい、政信?」

『はい、はじめまして』

華月の母さんは若くて綺麗な人だった。

「寒いしょ、嫌じゃないなら茶の間おいで」

『はい!』

華月と一緒に居間へ向かうと母さんは飲んでたみたいだ。

『こんな時間から飲んでんすか』

「パパの帰り待ってたんだけど待ちきれなくて、政信も飲む?」

『飲みます!』

「ママうちのは?」

「あんた最近ろくに帰らないで飲んでばっかでしょ、控えなさい」

「嫌だ!政信さんだけずるいじゃん!」

「嘘だって」

しばらく3人で飲んでると華月の父さんが帰ってきた。
立ち上がって挨拶する。

『はじめまして、政信です
華月とお付き合いさせていただいてます』

「おーいらっしゃい
ゆっくりしてってなー」

父さんは風呂に行くと行ってそれについてく母さん。

『え?一緒に入ってんの?』

「え?変?」

『いや、仲良くていいことだと思う』

俺の親は仲良くないから驚いた。
こーゆー親ほんとにいるんだ。

「政信は華月のどこが好きになったの?」

風呂から出てきた後4人で飲み直してるとママに聞かれた。

そー聞かれると難しい。

『…素直じゃないっすか』

「好きなとこあるんだ」

『なかったら付き合わねぇだろ』

「…ふへっ、なんか変な感じ」

『何が』

「付き合ってるのがー
なんかまだ夢見てるみたい」

思いっきりほっぺをつねってやる。

「痛たたたた!
…夢じゃないみたい」

『よかったな』

「政信、華月のことよろしくな」

『はい!』

良い時間になり華月の部屋に戻り床につく。

『酔っ払ったー』

「政信さんそー言うの珍しいね」

『楽しかったからかなー』

「そりゃよかった」

『俺、華月のパパとママに気に入られてよかったよ
こーゆーの憧れてた』

「うちも気に入ってくれてよかったよ」

『華月んち、家族みんな仲良くて楽しそうでいいよな』

「仲は良いよー」

『華月は幸せだな』

「何が?」

『帰ったら誰かがおかえりって言ってくれんの
俺そんなことないから
幸せなことだよ』

「考えたことなかった
…でもそうだね」

『俺こーゆー家族憧れる』

酔ったせいかいつもより素直にペラペラとしゃべる俺を腕枕し頭を撫でる華月。
とても心地いい。
いつの間にか眠りについてた。
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