今は亡き君へ。


そう思いながら、彼との思い出を思い返した。
死ぬ間際には、思い出が湧き上がってくるものなのかもしれない。

優しく笑ってくれた、彼。

彼はいつも美樹と一緒にいてくれた。

家族には虐待されていたが、彼がいたから生きていられた。
思えば、自殺を止めてくれたのも彼だった、と美樹は思った。
< 11 / 14 >

この作品をシェア

pagetop