毒づく糸目のホンノネは



心で思ったことがそのまま出た。
おまけにうわずって声がひっくり返った。



私の顔は一気に熱を帯びる。



そしてそのまま思い出した。



私の 今現在の 風貌を。



「ははっ、

花 翔平(はな しょうへい)。

俺の方が一つ大人かな キミの上靴青だし」



ボサボサ髪の、ニキビ肌。
荒れた唇に むっちりふくらはぎ。


とても、とてもじゃないが、王子様と並んで立てる容姿じゃない。気づくのが遅かった。周りの視線の数が刺さるほど多いことにも、気づくのが遅すぎた。



「ああぁぁあの、す、


すみません!!!」



私は駆け出した。


痛く刺さる視線を受けながら

ひたすらに走った。



後ろで花先輩が呼ぶ声が聞こえたけど
この足を止める訳には行かなかった。






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