毒づく糸目のホンノネは
明るい場所にいるような大層な子が
私なんぞに話しかける意味が、理由が
思い当たらない。
私はおそるおそる伺った。
ササキさんは長いストレートヘアを
軽く靡かせて また微笑んだ。
「松下さん、最近女子磨いてるなって
気になってて。
私もよくその雑誌読むから つい」
「気にかけてくれるなんて…恐れ多いです」
「クラスの女子みんな思ってるよ
前まで近寄りがたかったから
話せる話題ができて嬉しいな」
そう言うと、ササキさんは
私の席からパッと離れていった。
会話が終わったのかと、
再び雑誌に顔を向けたまた、その瞬間
今度はひとつ ふたつ 私に覆い被さる影が増えた。
「松下さん、こちら私の友達
愛とヒカリだよ」
ササキさんがその横にいる二人を順に指さす。
私は目の前で何が起こってるのか
さっぱりわからなかった。