雨が降ると、君との思い出が蘇るんだ
「……でも、現に家族を悲しませて……」

「確かに、家族を失ったら悲しいよ。でも、お前のお母さんの気持ちを理解していたんじゃないかな?お前の家族、お前のこと責めたことあったか?」

大輝の言葉に、私はその時のことを振り返る。

「ううん……無い」

私は、首を横に振った。悪いのは、私なのに……。

「だろ。悪いのは、お前じゃない。だから、お前を責めないんだ」

「……」

大輝の言葉に、私は何も言えなくなってしまった。



翌日の昼。私は、ペンを持って画面と睨めっこする。今、私は創作キャラを描こうとしているんだけど……いい構図が思い付かない。

とりあえず、逆三角形を描いて、それに収まるように大ラフを描いてみた。

お、いい感じ。周りには、炎のエフェクトを描こうかな。

大ラフから詳細ラフへと進んで、下書きに入る。……よし!清書しますか!

清書しようとレイヤーを重ねた時、お姉ちゃんが私の名前を呼んだ。私は返事をして、パソコンの電源を落とすと、部屋を出る。

「……大輝くんのお母さんから」

少し暗い声でそう言って、お姉ちゃんは私に受話器を差し出した。何でか分からないけど、嫌な予感がした。

「も、もしもし。お電話変わりました」
< 3 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop