雨が降ると、君との思い出が蘇るんだ
「……あなたは、何で1人で抱え込もうとするのよ!」

「……」

大輝のお母さんの言葉に、大輝は俯く。

「……言ったら、また仲間外れにされちゃうかもしれないじゃん」

震えた声で、大輝は言った。その言葉に、私は何があったのか察してしまう。多分、病気のことを話して、友達に裏切られたりしたんだろうな。

「大丈夫。裏切ったりしないから」

私が微笑むと、大輝はゆっくりと顔を上げる。

「……私を信じて」

「ありがとう……」

大輝の目からは、涙が零れ落ちた。



あれから1週間。今日は、大雨が降ってる。私の手には、一通の手紙が。

今日の朝、大輝は亡くなってしまった。信じたくなかったけど、冷たくなった彼を見ると、嫌でも信じるしかないんだ。

今、私が持っている手紙は、さっき大輝のお母さんから渡された大輝からの手紙。

私は封を開いて、目を通した。


これを読んでるってことは、もう俺はこの世にはいないのかな?

俺ね、本当は生きたかった。でも、幼いながらにそれは無理だって分かってたから、1日でも多く笑っていようって。

でもね、本当は笑ってるのも辛かった。今すぐ倒れたいって、助けてって、何度も思ったさ。でも、それが出来なかった。
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