交われなかった君との交わり方
一章
………。



そんな勝手なこと!



「許さなあぁぁぁぁぁい!!」



あ、あれ。



窓から差し込む光。
ちゅんちゅんと雀の鳴き声。
朝、か。



私、何してたんだっけ。
あ、そうそう。
昨日、同窓会で、それで…。



────「俺じゃなきゃダメって思ってもらえるまで、俺、頑張るわ」



思い出しただけで恥ずかしくなって頬に手を当てる。
熱い。



「もう…何勝手なこと、言っちゃってんの」



私じゃ、無理だって。
やっぱり、同窓会なんか行くんじゃなかった。



「……」



そんな時、



「咲良ー!いい加減起きなさーい!」




いつもなら、起こしに来ない。
むしろ、寝とけと言うお母さんが、なぜ。



ガチャという音と共に、ドアの隙間からお母さんの顔が覗く。



「あんた!着替えてもないじゃない!さっさとしないと遅刻するわよ!」



遅刻?着替え?



私は、何もしてない。
こんな歳にもなって。
精神科に通う日々で働こうにもドクターストップがかかってて、働けない。



「あの、着替えって…」



恐る恐るお母さんに聞いてみると、



「はぁ?馬鹿なこと言ってないで。さっさと着替えて、ご飯食べて、学校行くんでしょ!?」



がっ、こう?
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