ほんとは、ずっとキミのこと、
「にの!」
久しぶりに聞いた声。
後ろを振り返ると有音がいた。
「ありね?どしたの」
「瀬川先生と恋愛なんてやるね〜」
「あはは、ただのセフレみたいなもんだと思うよ?急にどうしたの?」
「なかなか連絡しなくてごめんね」
有音は遠慮がちに言う。
「私、ませてたよね。ほんと」
「まなむとは別れた?」
有音は頷いた。そしてすぐに、
「真夢くん、私と付き合ってても全然私のこと見てなくてさ、嫌になっちゃった。それで私思ったんだよね、にのこと、ムカつくなって」
「どうして?」
「いっつも気取ってるし、やっぱり真夢くんはにのが一番近い存在で、心開いてると思ったからさ、、」
「気取ってるって、、嫌だなー」
「それで私、にのとクラス離れて、遠くからにののこと見てて思ったんだよね、私、にのに憧れてるから悔しいんだって。だからこんなタイミングだけどにののこと支えたい、友達として」
有音は真剣な顔で私に言ってくれた。
「ありがと」

「遠くからじゃなくても良かったのに、いじめとか、、、」
「冗談でしょ???」
私は思わず吹き出してしまった。

そして先生との関係を少しずつ相談した。


「私それ、絶対真夢くんのこと好きな子が犯人だと思うよ?絶対にのを陥れようとしてるんだって」
「そうなのかな?でも私、先生に本気で愛されてるとか思ったことないからさ、、」
「きっとにのは、わかんないうちにライバル作ってるんだろうからさ〜。私みたいに」

ピロン♪

[にの、俺たちの関係終わったわけじゃないからな?]

「ありね、先生からラインきた」
「見せてみ、瀬川先生は本気みたいだけど?」
「でも私、ちょっと目が覚めたんだよね」

「ありねはずっとにのの味方だからね?」


この日の有音の言葉はすごく嬉しかった。

先生から何件もラインと不在着信があって。
そのどれにも返信することは出来なかった。

私は先生の寝顔や先生との写真を昨日先生と寝たベッドで消した。
先生は家を訪ねては来なかった。


最後の写真を消去した時、泣いていた。
泣きながら、真夢の必死な顔を思い出した。
< 25 / 35 >

この作品をシェア

pagetop