ほんとは、ずっとキミのこと、
私は変わらず毎日学校に行った。
あれ以来、真夢とは以前のようには戻れなくなった。
何回か家を出るときに自然を装って話す程度。

朝起きるたびに隣の家の真夢のお母さんの声が聞こえた。

その度に私は、私のお母さんを思い出した。

進路相談でも、地元の南高校を選んだ。
真夢のファンの子たちや、私のことを冷やかす男子たちは、この小さな街に噂を広げるのも一瞬だった。
私は先生に言ったように、遺された家を出て行く気は無かったし、一番近い南高校を選んだ。





先生とは。
先生とは離れられなかった。

私は先生に今までのような気持ちはこれっぽっちもなかった。
でも先生と愛し合うたび満たされていく自分を捨てられなかった。


そしてその相手は先生だけじゃなくなった。


私は南高校に有音と入学。
16の春が来た。



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