ほんとは、ずっとキミのこと、

＜真夢＞

「まなむ、勉強してるのか」
これは俺の父親の口癖だ。
高校受験が近づくにつれて、俺の親はどんどん俺にプレッシャーを与えてくるようになった。
というのも会社を継がせるためだ。

新乃と瀬川の騒動の後、それでも数人はまだ俺に事情を聞いてきたり、新乃の様子からは伺えないたくさんの噂が俺の耳に届いた。
瀬川は学校を辞めさせられ、今は違う学校で働いているのか、それとも教師も辞めたのか。

新乃は直接的にいじめられたりしているんだろうか。
ずっとスカし続けていて感じさせない。
そんなこと思っていても俺は聞くことはできなかった。

それでも夜、角部屋の自分の部屋に行くと、また新乃の喘ぐ声が漏れていた。

そして懲りない瀬川が朝、にのの家から帰っていく姿を俺は見た。