ほんとは、ずっとキミのこと、
気づいたら私はベッドの上に縛り付けられていた。

裸で。

そして床には私の盗撮写真がばらまかれていた。
コンクリートの臭いがする場所。
そして私の周りの精液。
その臭い。

あぁもう終わりだ。
そう思った。

どこから後悔すればいいかわからなかった。

そして隣の部屋から、佐井寺先輩の話し声が聞こえてきた。


「30万」



当時、男たちの間で、女子高生を狙って盗撮しレイプ画像や動画を売ってお金にする、という犯罪が流行していた。
その被害に遭うのは大体クラブなどに通うフロアで目をつけた高校生の女の子たちか、知り合いの女子高生を紹介して行為に及ぶというものだった。

まさかVIPに入っていた私が当事者になるなんて、考えてもいなかった。

助けてほしいなんて気持ちにはならなかった。
もう死にたい、そう思った。
汚れ過ぎた。

そして佐井寺先輩が繋がっていたとか、全然気づかなかった。

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