国際ロマンス詐欺?いいえ!純粋な恋です
カフェで絵麻はコーヒーを飲んでいた。国際ロマンス詐欺の捜査が順調に進んでいるため、自分へのご褒美だ。このカフェのコーヒーはコーヒー好きの間ではおいしいと評判のところで、絵麻もご褒美としてよく通う。

「やっぱり組織的な犯行だったわね。そろそろアジトへ突入する頃かしら?」

国際ロマンス詐欺の犯人たちは、新宿にあるとあるビルに集まって女性たちを騙しているらしい。

「……このケーキおいしそうね。頼もうかしら」

絵麻が新メニューと書かれたケーキを見て、注文しようとした刹那、「すみません」と英語で話しかけられた。

「お隣、座ってもよろしいですか?」

絵麻は「いいですよ」と答え、くるりと相手の方を見る。そして固まった。

「えっ……。あなたは……」

絵麻の目の前にいたのは、Facebookで何度もやり取りをしたエドワードだった。アイコンの写真をよく見ていたので覚えている。

「あなたは、絵麻さんですよね?ようやく会えて嬉しいです」
< 7 / 10 >

この作品をシェア

pagetop