こじらせ社長のお気に入り
しばらくすると来客を知らせる知らせが入り、社長自らお出迎えに向かった。私もお茶出しの準備をする。
「失礼します」
「ああ、笹川さん、ありがとう」
お盆を手に、応接室に入る。
「笹川?」
えっ?不意に名前を呟かれて、顔を上げた。
「……勇斗……?」
「なんだ、有原の知り合いか?」
隣に座るもう一人の年上の男性が声をかける。おそらく、この方が社長の知り合いだという、山中さんなのだろう。
それより、その横に座る、さっき私の名前を呟いた男性だ。
「柚月……だよな?」
確信を持った疑問形に、こくりと頷く。間違いない。有原勇斗。私が最後に付き合った人だ。変わりたいと思わせてくれた、きっかけになった人。
「失礼します」
「ああ、笹川さん、ありがとう」
お盆を手に、応接室に入る。
「笹川?」
えっ?不意に名前を呟かれて、顔を上げた。
「……勇斗……?」
「なんだ、有原の知り合いか?」
隣に座るもう一人の年上の男性が声をかける。おそらく、この方が社長の知り合いだという、山中さんなのだろう。
それより、その横に座る、さっき私の名前を呟いた男性だ。
「柚月……だよな?」
確信を持った疑問形に、こくりと頷く。間違いない。有原勇斗。私が最後に付き合った人だ。変わりたいと思わせてくれた、きっかけになった人。