こじらせ社長のお気に入り
「笹川ちゃん?」

「……どうして……」

「ん?どうした?」

「……どうして相応の注意をしてくれないんですか?」

こんなの八つ当たりだってわかってる。
確かに今回のミスはなんとかカバーできるもので、軽く流した社長の考えもわかる。

でも、私がここ数日、地に足がつかず、ふわふわした気持ちでいたのは確かで、下手をしたらもっと大きなミスをしていたかもしれない。

そう思ったら、今回のミスを軽く流した社長に、怒りの感情が湧いてきた。

こんなの、完全に逆ギレだ。

「笹川ちゃん?」

「いえ。本当に申し訳ありませんでした。すぐに参加するメンバーに、1時間後ろにずらしてもらうよう、お願いしてきます」

拳をぎゅっと握って頭を下げると、すぐさま身を翻した。



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