こじらせ社長のお気に入り
「笹川さん。最近元気ないけど、大丈夫?」
副社長との打ち合わせを終えて席を立つと、市井さんに声をかけられた。
社長に告白をなかったことにしてくれと言われて以来、私の席は総務の島に戻してもらっていた。
お互い、やはりそう広くない部屋に2人っきりでいれば気が散ってしまうし、それが社長のじゃまになってしまうからと、言い訳にもならないような今更な理由を、副社長は怪訝な顔をしながらも受け入れてくれた。
きっと、聞きたいことはあっただろうけれど、私の様子がそうさせなかったようだ。
「そうでもないですけど……梅雨のジメジメにやられて、食欲もあまり湧かないですし、髪もぼさぼさになっちゃうし、ストレスフルなせいかもしれませんね」
「あはは。本当、そうよね。夏の暑さも嫌だけど、このジメジメな悪天候もね……」
お互いに、顔をしかめて笑い合った。
副社長との打ち合わせを終えて席を立つと、市井さんに声をかけられた。
社長に告白をなかったことにしてくれと言われて以来、私の席は総務の島に戻してもらっていた。
お互い、やはりそう広くない部屋に2人っきりでいれば気が散ってしまうし、それが社長のじゃまになってしまうからと、言い訳にもならないような今更な理由を、副社長は怪訝な顔をしながらも受け入れてくれた。
きっと、聞きたいことはあっただろうけれど、私の様子がそうさせなかったようだ。
「そうでもないですけど……梅雨のジメジメにやられて、食欲もあまり湧かないですし、髪もぼさぼさになっちゃうし、ストレスフルなせいかもしれませんね」
「あはは。本当、そうよね。夏の暑さも嫌だけど、このジメジメな悪天候もね……」
お互いに、顔をしかめて笑い合った。