こじらせ社長のお気に入り
部屋が別々になれば、以前のように戻れるかもしれないと思っていたけれど、気が付けば社長のことばかり考えてしまう自分がいた。
となりに、一見冷淡そうな副社長がいなかったら、グズグズになっていたと思う。本当は優しいけれど、ぱっと見冷たく見えるこの視線が、崩れかけた緊張感をグッと引き締めてくれる。
「笹川さん。山中さんが来られるのは何時でしたか?」
副社長に聞かれて、時間はわかっていたものの、念のため確認してから答える。
「16時の予定です」
「わかりました。社長から、私が同席するように言われたので、その時間は席を外しますね」
「あっ、はい……」
勇斗が今日も山中さんと来ることは、事前に本人からの私的なメールで知らされている。
私に同席を求められなかったことにホッとしたのに、あえて外されたのかもと考え、不安なのか不満なのか、よくわからない感情が湧いてくる。
となりに、一見冷淡そうな副社長がいなかったら、グズグズになっていたと思う。本当は優しいけれど、ぱっと見冷たく見えるこの視線が、崩れかけた緊張感をグッと引き締めてくれる。
「笹川さん。山中さんが来られるのは何時でしたか?」
副社長に聞かれて、時間はわかっていたものの、念のため確認してから答える。
「16時の予定です」
「わかりました。社長から、私が同席するように言われたので、その時間は席を外しますね」
「あっ、はい……」
勇斗が今日も山中さんと来ることは、事前に本人からの私的なメールで知らされている。
私に同席を求められなかったことにホッとしたのに、あえて外されたのかもと考え、不安なのか不満なのか、よくわからない感情が湧いてくる。