こじらせ社長のお気に入り
「こんにちは」

予定時間の5分前に、山中さんと勇斗がやってきた。

「いやあ、こうジメジメするのはかなわんね」

外はかなり雨が降っていたようで、2人とも肩のあたりが濡れてしまっている。うっすら汗もかいているようだ。
こういう時のためにと、用意してあったタオルを手渡す。

「おお、笹川さんだったね?ありがとう」

「お飲み物は、アイスコーヒーにしておきますね」

「助かるよ」

「どうぞ」

続けて、勇斗にもタオルを手渡す。

「ありがとう、柚月」

タオルを渡す瞬間、偶然なのか、手と手が触れ合ってしまい、ビクッと肩を強張らせた。そんな私を見て、勇斗がクスリと笑う。



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