こじらせ社長のお気に入り
「あと30分もあれば上がれますけど……」
「そう。じゃあ、近くで時間を潰してるから、出るときに連絡して」
なんで上司2人と、取引先の男性が見つめる中、このすぐ後に元カレと会う約束をせねばならないのか……
もちろん、この空気の中、断るという選択肢は選べそうにもない。
「わかりました」
「ありがとう。じゃあ、また後で」
勇斗は、ジメジメした梅雨に似合わない、清々しい笑みを残して去っていった。
とてもじゃないけれど、このやりとりをどんなふうに見られていたのか、社長の方を見ることはできない。
彼は平然と見ていたのか、苦々しく見ていたのか、からかい半分で見ていたのか。
いろいろと忘れたいと思っているのに、どうしても社長のことを考えてしまう。
「そう。じゃあ、近くで時間を潰してるから、出るときに連絡して」
なんで上司2人と、取引先の男性が見つめる中、このすぐ後に元カレと会う約束をせねばならないのか……
もちろん、この空気の中、断るという選択肢は選べそうにもない。
「わかりました」
「ありがとう。じゃあ、また後で」
勇斗は、ジメジメした梅雨に似合わない、清々しい笑みを残して去っていった。
とてもじゃないけれど、このやりとりをどんなふうに見られていたのか、社長の方を見ることはできない。
彼は平然と見ていたのか、苦々しく見ていたのか、からかい半分で見ていたのか。
いろいろと忘れたいと思っているのに、どうしても社長のことを考えてしまう。