こじらせ社長のお気に入り
「柚月。あの頃も今も変わらず、ずっと君のことが好きだ」

勇斗が、私のことを今も好き?

最近の様子から、嫌われてはいないと感じていたけど……

「柚月は今、好きなやつはいる?」

〝好きなやつ〟と言われて真っ先に浮かんだ社長の顔を、慌てて打ち消す。
違う……思わせぶりな態度ばかりとられて、つい気になっていただけだ。だって、からかわれているだけなんだから。

「いるんだね?」

即答できずにいると、断定するように言われてしまう。

「い、いないよ」

あの人のことなんて、好きなわけない。むしろ、腹が立つほど憎らしい存在だ。 


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